錯体化学会は英国王立化学会とのパートナーシップにより新しく選書を出版しました
2021年2月12日
新刊『Organometallic Chemistry』(中沢浩(大阪市立大学教授)、Julian Koe (東京国際基督教大学教授)編)が、日本でこれまで親しまれてきた錯体化学会選書の新シリーズとして英国王立化学会より発売されることになりました。
今後このシリーズは、錯体化学が関与する生物無機化学、光化学、電気化学、溶液化学、物性化学、機器分析化学、理論化学等のあらゆる分野についても出版していく予定です。
英国王立化学会出版部長のエマ・ウィルソン氏は「日本の錯体化学会と提携して、これらの重要で質の高い書籍をより多くの世界の人々にお届けできることを誇りに思います」と述べています。
錯体化学会会長の北川宏氏(京都大学教授)は次のように述べています。「英国王立化学会との提携により、日本の錯体化学会の重要で質の高い書籍を世界中の学生や研究者の皆様にお届けできることを大変光栄に思っています。これまで日本で出版されてきた錯体化学選書が、世界におけるこの分野の主要な書籍の一つになることを楽しみにしています。」
このシリーズは日本の錯体化学会との共同で出版されており、学生が学部や大学院で化学の学位を取得する際に遭遇するであろう主要な錯体化学のテーマを包括的に教育的に扱うことができるようになっています。 これらの書籍は、日本の錯体化学会のメンバーが中心となって書かれ、実績のある教科書を英訳したものです。
英国王立化学会について(→)
私たちは、化学の卓越性を高めることを唱える医師、学者、製造業者、起業家を含む77名の科学者が中心となり、1841年にロンドン化学会を結成しました。そしてトーマス・グラハムを初代会長に迎え、その使命を今日まで果たしてきました。
現在では、世界中に54,000人以上の会員を擁し、国際的に知られる非営利出版・教育ビジネスを展開しており、化学のコミュニティーへの影響力があることを高く評価されています 。
1980年に英国王室憲章が発行され、その目的は「化学とその応用の普遍的進歩・発展、そして次に掲げる目的を目指して」と述べられています。
・化学知識の普及により、化学の発展と応用を促進・奨励すること。
・専門職としての化学を実践する人々の資格、能力、行動の基準を確立し、支持し、前進させること。
・化学と実践に関連した事項について、諮問、協議、または代表的な立場で行動することにより、公共の利益に奉仕すること。
・化学および実践の進歩に関連する限りにおいて、本会の会員の目的と目標を推進することを目的とする。